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CBDやCBDオイルと頭痛・偏頭痛

日本人の4人に1人が抱える痛・

偏頭痛は拍動性の痛みやめまい、四肢がチクチクする感覚、吐き気、嘔吐、言語障害、痺れ、音や光に対する過敏性などの症状を伴う頭痛の一種です。全年代に発症する可能性があり、成人期以降は女性に多いとされています。偏頭痛はなぜ起こるのか、様々な説が考察されていますが現段階では発症の作用機序は完全には解明されていません。偏頭痛を引き起こす要因には以下のような環境や物質があると考えられています。

強い光や音、馴染みのない匂い、暑さ、天候、気圧、アレルギー反応、脱水、肉体疲労、精神的ストレス、睡眠不足、空腹、ホルモンバランスの変化、妊娠、月経、更年期、ニコチン、服薬、遺伝などがあります。また多くの食品は偏頭痛の原因とされており、チラミン(チョコレートやチーズなど)、ポリフェノール、アルコール、カフェイン、グルタミン酸、硝酸塩(加工肉など)、人工甘味料なども避けた方が良いとされています。

治療には非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などの鎮痛剤や血管収縮剤、吐き気止めなどが処方されます。しかし、これらの処方薬は消化器症状などの副作用が多く、長期間摂取することは望ましくありません。偏頭痛には環境および食事の改善や休息をしっかり取るなども大切です。

CBDやCBDオイルは頭痛や偏頭痛に効く?

CBDは大麻草などから抽出されるカンナビノイドと呼ばれる成分で、疼痛や吐き気、睡眠などの調節を行うエンドカンナビノイドシステム(ECS)に作用することで身体に様々な効果をもたらします。ECSはアナンダミド(AEA)や2-AGなどの内因性カンナビノイドが中枢神経系に多く発現するCB1や免疫系・末梢神経系に発現するCB2などのカンナビノイド受容体に作用することで機能します。

CBDは直接CB1やCB2へ作用することはほとんどありませんが、AEAや2-AGを破壊する酵素であるFAAHを阻害することで間接的にECSを活性化させたり、様々な神経伝達物質の受容体に働きかけます。CBDは興奮させる作用がないため日本でも合法的に使用できます。大麻取締法で違法となる成分は大麻の主成分であるTHCですが、CBDとTHCは体内で違う効果をもたらします。現在までにCBDのみを服用して偏頭痛の治療効果を検証した実験は行われておらず、全ての研究でTHCを含む薬剤や医療用大麻が使用されています。

THCはCB1やCB2に直接作用するため、鎮痛作用や制吐作用においてはCBDよりも高い効果があります。そのため、日本では違法となるTHCですが、アメリカなど医療用大麻が合法である国や地域では、鎮痛目的の場合はCBDのみを服用するよりもTHCを含有する薬がより支持されています。 以下の治療法は日本では不可能ですが、参考までにこれまでに行われた研究を紹介します。

医療用大麻を使用した研究

2016年、アメリカ・コロラド州で行われた研究において48人の患者を対象に医療用大麻の偏頭痛への効果を検証したところ、およそ40%の患者で偏頭痛の発作の頻度が減少したと報告されました。副作用としては強い眠気が最も多く、他には適切な摂取量の判断が難しかったと被験者から報告されました。また、エディブル(経口摂取)の被験者は吸入摂取よりも多くの副作用を感じました。

2018年には、偏頭痛や頭痛、関節炎、様々な疾患の症状である慢性疼痛の患者を対象に研究が行われました。その結果、従来の処方薬の代わりに医療用大麻を服用することで疼痛を緩和することに成功しました。

特に強い鎮痛作用を持ちながらも依存性のあるオピオイドを内服している患者において効果が高く現れました。偏頭痛の患者では、THCの含有量が多くCBDの含有量が少ない製品が最も効果が高かったとのことです。

ナビロン(Nabilone:合成THC)を用いた研究

2012年のイタリアの研究において、鎮痛剤を過剰に服用したことで生じた頭痛を改善させる効果を検証する研究が行われました。

26人の被験者は50mgのNabiloneと400mgのイブプロフェンをそれぞれ8週間ずつ摂取して効果の比較が行われました。両方とも鎮痛効果はありましたが、Nabiloneを摂取している期間の方が痛みの軽減があり、頭痛の発症の頻度も減少したとのことです。